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学びの集積

0052冊:力と交換様式(著:柄谷行人、岩波書店)

2022年10月初版の柄谷行人氏による最新の著作。「交換様式」を軸に、マルクス、フロイト、ヘーゲル、カントといった哲学界の巨人の考えを参照しながら、縦横無尽に世界を読み解く内容で、知的好奇心を刺激される力作だ。 僕の理解では、本書を理解するために…

0051冊:実力も運のうち 能力主義は正義か?(著:マイケル・サンデル、訳:鬼澤忍、早川書房)

日本でもすっかり有名になったマイケル・サンデル教授による、能力主義(メリトクラシー)の実態と論点について切り込んだ本。 本書を読むと、驚きと発見がいっぱいだ。米国のメリトクラシーについて書かれた本だが、日本に住む僕らにもメリトクラシーという…

0050冊:CEO Excellence: The Six Mindsets That Distinguish the Best Leaders from the Rest(Carolyn Dewar / Scott Keller / Vikram Malhotra著、Nicholas Brealey Publishing)

マッキンゼーのシニアパートナー3名による共著。優れたCEOを200名抽出し、そのうちの数十名に直接インタビューして、優れたCEOの取り組んでいる仕事は何か、そしてそれらの仕事にどんな考えを持って取り組んでいるのかを明らかにした本。 既にCEOとして日々…

アンテナを磨くことの重要性

自分のやりたいことや得意なことをやろう、という話はよく出てくる。自分を抑圧せず、自由に考え、行動しようと。だが最近思うのは、多くの人は自分のやりたいことや得なことを抑えているわけではなく、自分のやりたいことや得意なこと自体がよくわからなく…

適合力と適応力のジレンマ

適合力と適応力。どちらもとても大事な力だ。この2つは一文字違いで似ているように見えるが、実は全く異なるベクトルの能力であり、この2つの力をどのようにバランスさせていくかが、個々の力を高めていくこと以上に重要となる。 僕の定義では、「適合力」と…

0049冊:現代フランス哲学入門(川口茂雄/越門勝彦/三宅岳史 編著、ミネルヴァ書房)

「きちんと知りたい」に応える、というシンプルなテーマで書かれた現代フランス哲学に関する入門書。19世紀以降の120名ものフランス哲学者を紹介している。 この本が素晴らしいのは、「きちんと知りたい」がちゃんと徹底されていることだ。つまり、とてもわ…

0048冊:教養のためのブックガイド(小林康夫/山本恭編、東京大学出版会)

東京大学教養学部が新入生に向けて編纂したブックガイド。 東京大学で教鞭をとる教授陣が各パートで新入生に読むべき本を紹介していくというコテコテのブックガイドであり、かなりハードルが高そうに見える。事実、有名どころから本格派まで、あらゆるジャン…

「武器を身に付ける」こと以上に、「武器の使い方を磨く」ことが重要だ(後編)

前編はこちら↓

0047冊:活字中毒養成ギプス―ジャンル別文庫本ベスト500 (ぼくらはカルチャー探偵団編集、角川文庫)

1988年に発売された絶版本。活字中毒養成ギブスというインパクト抜群なタイトルに惹かれて古本で入手。 副題にある通り、ジャンル別に識者がお勧め本を紹介するという、いわゆるブックガイド的な内容。レベルの違う本読みが、僕など聞いたこともないような本…

マーケットから直接雇用される状態を目指そう

マーケットに直接雇用される人になると、選択肢が広がり、とても自由になる。これは僕がこれまでの経験から強く実感していることだ。起業や独立を考えておらず、当面は組織に所属する予定の人でも、マーケットから直接雇用されることをとりあえず目指してお…