世界的に有名な仏教学者である鈴木大拙による禅についての著書。「禅思想」「禅行為」「禅問答」という3つの章立てで、禅の古典を引用しながら禅の本質に迫る本格的な内容。(いかにも岩波文庫に収められていそうな本書だが、意外にも第1刷発行は2021年3月…
西洋哲学史上の重要人物の思想を紹介しながらも、「哲学的な考え方」も同時に伝えるという、2つのことを高次元で両立している良書。 一般的に上記の2つを両立させることは難しい。西洋哲学史を網羅的に記述し、紹介している本は多く存在する。しかし「歴史を…
この本を読んで驚くのは、三島由紀夫の感受性だ。言うまでもなく表現力も頭抜けているが、やはりその感受性に圧倒される。 三島が訪れているのは、北米、南米、欧州といった場所だ。こういった場所に訪れる経験は、執筆当時では珍しいものだったかもしれない…
先日、タイトルの通り「スムーズにアウトプットが出ている状態は良い状態なのか」を考えていたのだが、そもそもなぜそんなことを考えていたかというと、普通はそれは「良い状態」のはずなのだが、僕自身はなんとなく「あまり良くない状態」だと感じていたか…
自戒を込めて書くが、生産性を高めるために重要な考え方は、「いかにサボりながら結果を出すか」ということだと思う。良くない表現かもしれないが、「いかにサボりながら」という部分が大切だ。 結果にコミットして逆算で考えることの重要性は以下の記事で言…
オリジナリティとは何か。そしてオリジナルな人と、そうでない人とを分ける要素は何か。こういった、オリジナリティに関わるテーマは多くの人が並々ならぬ関心を持っているだろうが、なかなかスパッと明快に説明することが難しいテーマである。 何故ならオリ…
著者のドリー・クラークは存じておらず、本屋でたまたま手にとって読み始めた本だったが、人生やキャリアにおける戦略を考える上で、重要な示唆を多く示してくれる良い本だ。 私にとっては、忙しい日々を送っているとついつい忘れてしまいがちだが重要なポイ…
本書全体を通じて提示されている、「自分自身の人生におけるダウンサイドリスクを受け入れて生きよ」というメッセージはとても共感を持てる。 特に次の3つのポイントは大きな学びだった。 1つ目は、「身銭を切る」ようになると、今まで無味乾燥に見えていた…
向かうべき方向の定まっていない積み上げはつらい 千里の道も一歩から。全てのことは、一歩一歩の積み上げの先にあることは、疑いようのない事実だ。 一方で、この「一歩一歩」が意味を為すのは、どこに向かって歩いているのかがわかっているからである。方…
20代から一貫してビジネスパーソンとしての生存戦略を考えてきたが、やはり思考力が最も重要だというのが僕の結論だ。 もちろん、ファイナンスの知識を身に付けたり、IT/デジタルの経験・知見を持っていたりすることも重要である。 しかし、何が最も重要かと…
ここ10年以上、書店やAmazonで本を買い、カフェや家、移動中等に少しずつ読むことが、僕の生活の一部を占めている。 本棚にある本を再読したり、気になった本をちょっと読んだりすることも多いので、正確な数は把握していないのだが、平均して少なくとも年間…
僕の周りの優秀な人たちを見ていて、1つ共通することがあるのだが、彼ら/彼女らは成長の天井がないのである。 どんどん色々なことを吸収していき、より高みに昇っていってしまい、常に伸びしろしかない、という感じだ。 こういった人たちを見るにつけ、僕は…
何らかの成果を出したいのであれば、努力を要することが多いが、効果的に成果を出すためには、努力は努力でも「正しい努力」をすることが重要だ。 僕は持たざる者なので、貴重なリソースを有効に使うべく、「これは正しい努力か?」を常に問うようにしていて…
僕は最近、物事の学び方には2つのタイプがあるのではないか、と考えていて、今回はその話を簡単にまとめて見たい。 その2つのタイプを、タイトルにもある通り、僕は「加算的学習」と「乗算的学習」と勝手に名付けている。 このタイプ分けは、アカデミックな…
アリストテレスの「ニコマコス倫理学」を読んだことがあるだろうか。 倫理学を確立した本で、後世にも多大な影響を与えたスゴい本である。 「今回はこの本をわかりやすく大解説!」と言いたいところなのだが、アリストテレスの名著を解説するなどというのは…
持たざる者は何をする? 僕のような持たざる者がビジネスパーソンとして戦っていくためには、何ができるのかをずっと考えてきたが、今持っている1つの仮説は「持たざる者が戦うためには、限られた経験や学習対象から如何に多くの学びを抽出できるか」が重要…