nano-blog

学びの集積

成長のΔ(デルタ)

僕の周りの優秀な人たちを見ていて、1つ共通することがあるのだが、彼ら/彼女らは成長の天井がないのである。

どんどん色々なことを吸収していき、より高みに昇っていってしまい、常に伸びしろしかない、という感じだ。

 

こういった人たちを見るにつけ、僕は不思議に思っていた。

なぜなら、多くの場合、ある程度成長していったらその後の成長率(Δ)は鈍化していくはずではないか。

にも関わらず、優れた人達は、成長していくとその成長率が鈍化することはなく、成長率が維持されていたり、場合によってはむしろ成長率が上がっているのではないかとすら思える。

 

持たざる者として、スタートラインが周囲より後ろにあると自覚していた僕は、将来的に自分が成り上がっていくために、このメカニズムを理解し、取り入れなければならないと強く感じ、少しずつ考察と実践を始めた。

長期視点、自己駆動、超分野

僕の考察と実践の旅をつらつらと書きしたためると長くなってしまうので、僕なりに辿り着いた結論を先に言っておくと、ポイントは以下の3つである。

 

①長期視点

②自己駆動

③超分野

 

1つずつ簡単に説明していきたい。

 

①長期視点

これは言葉のままなのだが、短期的な成長よりも、自分の長期的な成長や学びに繋がるかどうかを軸に、進路や方向性を判断しているということだ。

 

例えば、ビジネスパーソンとして働くということをとってみても、短期で考えた場合と、長期で考えた場合とで、求められる経験や能力は異なってくる。

短期的にはまず基本を習得し、自分が所属している組織や上司からの求めに応じて働く能力が求められるだろうが、長期的には組織にとってのイシューを捉えて解決していったり、それを実行するためにチームをうまくマネジメントする能力が求められてくるだろう。

つまり、当たり前の話ではあるが、短期と長期で見た時には、自分が何を身につけるべきかが異なるということだ。

 

人は多くの場合、自分の目の前にあることが一番大きく重要なことだと認識してしまうが、優れた人達はそのメガネをスッと外し、長期的に何が得られるかを考え、そのために必要な機会や進路を選択することができるのではないか、というのが僕の仮説だ。

常に長期視点で方向性を選択することで、短期的には成長できたが、すぐに天井にぶつかり停滞してしまうということが避けられることから、成長のΔが高く維持される。

 

②自己駆動

自己駆動とは、自分の興味/関心や意志に従って方針を決定し行動している、ということである。

よく使われる言葉に言い換えれば、外発的動機ではなく、内発的動機に従って考え行動している、ということだ。

 

自己駆動型で動いている人は、常に自分の取り組みたいことや学びたいことをターゲットにしているので、どんどんと学びの対象を変えながら、スピード感を落とすことなく成長していける。

誰に強制されるわけでもなく、自発的にサステナブルに学び、成長し続けることができるのである。

 

③超分野

超分野とは、外的に切り分けられている領域を自由に越境していくということだ。

成長のΔを常に高く保ち続けている人達は、1つの領域に閉じて学びを先鋭化していくというよりも、②で言及した自己駆動力を用いて自分の関心に沿った形で様々な領域を横断的に学んでいくケースが非常に多い、と僕は考えている。

 

過去に発信した「加算的学習と乗算的学習 - 乗算的学習のすすめ」で言及したことだが、一見バラバラに見えることであっても、広くかつ(それなりに)深く学んでいくと、点と点がつながり、領域間の関連性・類似性に気づいたり、それぞれの領域を結び合わせた新たな地平を開いていくことに繋がる。

 

超分野的に学び、点と点を結びつけて自分なりの知的ネットワークを広げ続けることができるため、結果的に成長のΔが鈍化しないということだ。

要するに、やりたいことをやり続けることが、長期的な成長につながる

上で言っていることを簡単に言い換えてしまえば、「自分が本当に重要だと思うこと、やりたいと思うことをやり続けることが、長期的な成長につながる」ということではないか。

特に仕事になると、僕らはついつい戦略的に成長やキャリア形成を考えてしまいがちだけれとも、実は赴くままに取り組んでいくことが、長期的な生存戦略としては逆に重要なんじゃないか、と気づいてからは、(100%とまではいかないが)少しずつ「赴くまま」路線にシフトして、成長のΔを高められるよう意識している。

 

ぜひこれを読んだ方のご意見も聞いてみたいが、どうだろうか?